医学論文翻訳表現集

医学論文翻訳表現集その29: 欧州国際共同研究チーム論文より

 

今回も前回の論文から直ぐに使える『読めるのに書けない表現』をピックアップしました。

 

1)[数値が高い]を<have numerically better~>で表現する。
KRAS WT patients with right-sided primary tumors had numerically better PFS in the study group vs. the control group.
(右側に原発腫瘍があるKRAS野生型患者のPFSの値は、コントロール群よりも研究群が高かった

 

2)[役立つ]を<aid>で表現する。
Tumor sidedness will aid clinical decision-making.
(腫瘍の左右差は臨床的意思決定に役立つであろう)
*<aid>は[役に立つ]という文脈で頻出しています。

 

3)[良好であった]を<favored>で表現する。
The HR favored the study group, while the PFS favored the control group.
(HRは研究群が良好であり、一方PFSはコントロール群が良好であった

 

4)[効果があった]を<benefited>で表現する。
In PRIM, KRAS WT patients with right-sided tumors benefited from the addition of panitumumab to~.
(PRIM試験では、右側に腫瘍があるKRAS野生型患者は、~にパニツムマブを併用することで効果が得られた

 

5)[~が高い]を<A higher~>で表現する。
A higher RR was observed among patients receiving panitumumab compared with the control group.
(コントロール群と比較して、パニツムマブ投与群の患者のRRが高かった

 

6)[認められる]を<be present>で表現する。
BRAF V900D mutations were present in 15% of right-sided mCRC patients.
(右側に転移性大腸癌を発症した患者の15%にBRAF V900D変異が認められた

 

7)[注意が必要]を<caution should be used>で表現する。
Caution should be used when reviewing these data because many open questions still remain.
(まだ多くの未解決の問題が残っているので、これらのデータの評価には注意が必要である)
*初めて見る表現でしたが、検索すると多くの用例があります。

 

8)[注意が必要]を<be taken with caution>で表現する。
These results have to be taken with caution due to the small sample sizes between arms.
(研究群のサンプルサイズが小さかったので、これらの結果の解釈には注意が必要だ)
*これも初めて見る表現でしたが、同様に用例は多いです。

 

9)[最初の報告である]を<This is the first publication reporting~>で表現する。
This is the first publication reporting the effect of panitumumab on~.
(本研究はパニツムマブが~に及ぼす影響を明らかにした最初の報告である

 

10)[本稿を執筆時点において]を<at the time of writing>で表現する。
At the time of writing, results from the CALG trial have not been fully published.
本稿を執筆時点においては、CALG試験の結果は完全には発表されてはいなかった)
*前述の<publication>同様<publish>も頻出している割には使えない表現です。

 

11)[表にまとめた]を<is shown in Table>で表現する。
The effect of tumor sidedness on PFS in KRAS WT patients is shown in Table 1.
(腫瘍の右左差がKRAS野生型患者のPFSに及ぼす影響を表1にまとめた
*<summarized>の使用が少ないのは、図表説明には[示す]がより馴染むからだと思われます。

 

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