医学論文翻訳表現集

医学論文翻訳表現集その28: ヨーロッパの国際共同研究チームの論文より

 

ある国際共同研究チームの論文より頻出の医学論文表現をピックアップしました。

 

1)[低値を示した、不良だった]を<did worse>で表現する。
Patients with hypertension did worse for all parameters compared with patients with~.
(高血圧患者は全てのパラメータが低値を示した)
EGFR wild-type patients did worse with nivolumab compared with~.
(EGFR野生型の患者のニボルマブ治療の成績は不良であった)
*<patient>を主語にして、成績が不良であったときに使える、汎用性の広い便利な表現です。

 

2)[おそらく~であろう]を<A possible explanation~>で表現する。
A possible explanation for the low incidence is that~.
(発生率が低かったのはおそらく~だからであろう)
*<A possible explanation~>は日本人には見慣れないですが使用頻度の高い表現です。

 

3)[~が分かった]を<have been shown to>で表現する。
RAS mutations have been shown to be associated with~.
(RAS変異は~と関連していることが分かった)
*論文では超頻出重要フレーズです。

 

4)[報告がある]を<previous studies reported>で表現する。
Previous studies have reported that patients with mCRC were~.
(大腸癌患者が~であることについては、これまでにもいくつかの報告がある)
*使用頻度の高い表現です。[ある/ない]は訳しにくいです。<There are reports>よりスマートだと思います。

 

5)[相関性がある]を<correlate with>で表現する。
Tumor sidedness significantly correlated with OS and PFS.
(腫瘍発症の左右差はOSおよびPSFと有意な相関性を有していた)
*これも[ある]に惑わされず、<主語+correlate with>とシンプルに表現できます。

 

6)[必要がある]を<be warranted>で表現する。
Further research in this field is warranted.
(この分野はさらに調査する必要がある)
*定型句です。これも[ある]に惑わされず、<be warranted>を使います。

 

7)[との比較]を<versus>で表現する。
PRIM compared panitumab plus FOLIX versus FOLIX alone.
(PRIM試験ではパニツマブ+フォリックスとフォリックス単剤との比較を試みていた)
*<versus>は読めるのに使うのは難しい単語です。

 

8)[良好な転帰が得られた]を<provide>で表現する。
In patients with hypertension, panitumab provided better outcomes than~.
(高血圧患者はパニツマブでより良好な転帰が得られた)
*頻出の<provide>はいわゆるstrong verbです。様々な状況で活躍します。

 

9)[予後が不良]を<be associated with worse prognosis>で表現する。
Left-sided tumors are associated with worse prognosis than right-sided tumors.
(左側に発症した腫瘍の予後は右側の腫瘍と比較して不良であった)
*<tumor>を主語にできます。検索すると<prognosis>を主語にすることは少ないようです。

 

10)[まだ発表されていない]を<No publications have investigated>で表現する。
No publications to date have investigated the effect of A on B.
(AがBに及ぼす影響を調査した研究はまだ発表されていない)
*通常<No studies have investigated~>という表現が頻出します。

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