医学論文アクセプトに関する本の紹介
ここでは医学論文をアクセプトに導く書籍の紹介をしています。
「必ずアクセプトされる医学英語論文完全攻略50の鉄則」(康永秀生)
必ずアクセプトされる医学英語論文完全攻略50の鉄則(康永秀生)
最大の特徴は、なぜ医学論文を書く必要があるのかに始まり、投稿後の査読官とのやりとりまでの「一連の流れを万遍なく」ご教授されている点です。しかも著者は東京大学医学部の先生なので説得力があります。
以下に「個人的に痛く共感したこと」を書きます。
1.<書くことを意識して読む>しかも<音読が重要>
2.<頻出表現リストを作る>(←同感です)
3.<One paragraph, one topic>(←なかなか守られていないです)
4.<Introductionの重要性>なぜ本研究が必要なのかを述べること。
5.<MethodsとResultsの関係は一対一>Methodsで説明していないことをResultsに書いてはならない。
6.<Resultsでは価値判断をしてはならない>(ナルホドです)
7.<Significantを「顕著な」という意味で用いてはならない>(←やはりそうでしたか)
などなどです。
また<Discussion>の構成のし方のアドバイスも丁寧です。当たり前のことが書かれていますが、私がこれまでに読んできたたくさんの日本語原稿から受ける印象は、<説得力のあるDiscussionを書くことは難しい>です。「タイトルの付け方」と「アブストラクトの書き方」も一章ずつ独立して解説されています。その重要さがわかります。
全体を読んだ印象は、論文の書き出し、すなわちタイトルとアブストラクトとイントロダクションでグッと引き付けて、後はロジカルに(=筋をとおして読みやすく)主張を展開することが重要だということです。
本書は投稿からアクセプトまでも丁寧に解説されています。医学論文アクセプトを目指す先生方には必携の一冊だと思います。医学論文を翻訳する私にとっては医学論文の模範的構成が良く理解できて、ありがたい参考書です。続編を期待したいです。
書評:「なぜあなたは論文が書けないのか」